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特許取得で別れた会社の命運 ~切り餅事件~

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特許取得で別れた会社の命運 ~切り餅事件~

2020.02.27

特許をとっていたか、とっていなかったか、それだけの違いで15億円!?

 

 

2009年に勃発した、通称、切り餅事件では、特許1件で15億円余りもの損害賠償が命じらました。

 

少し詳しく説明すると、特許を持っている越後製菓株式会社が、競合企業のサトウ食品工業に対して、一次訴訟で約8億円、二次訴訟で約7億8000万円の損害賠償請求を認められた事件です。

 

さらに、この事件では、差止請求といって、特許をもっていない事業者の販売を裁判所が中止させる措置をとる請求についても認められているのでサトウ食品工業では、越後製菓のアイデアである側面に切り込みを入れたお餅、は販売できないのです。

 

越後製菓の特許は、四角い直方体の切り餅の側面に切れ込みが入っているというものでしたが、餅の切れ込みを工夫して、その特許を取っていた企業と、取っていなかった企業で15億円もの出費があるか、収入があるかという違いを生み出してしまうのです。

 

特許と聞いても、直接的に現金を伴う経済活動のイメージがわきにくいかもしれませんが、こういった事例に顕著に表れるように、特許を取っているかどうかで、多額の経済的利益や損失が生じる可能性があるのです。

 

もともと損害賠償狙いではなかった?

ただ、ここで気を付けたいのは、越後製菓は、おそらく、損害賠償が取れることを予測して特許を取得していたわけではありません。

一般的に、誰かが使いそうなアイデアを先読みして特許にするのは、とても難しいことです。

越後製菓が特許を取ったのも、あくまでも自社の製品を他社に真似されたくないという、守りの意味が大きかったはずです。

 

そして、他社が自社の製品を「真似して製造したり販売したりしないでください」と訴えるのが、差止請求です。

損害賠償請求のように、お金という目に見える形だと、財務諸表にもでてきて経営に対する影響が見えやすいのですが、差止請求も同じくらい、いや損害賠償請求よりもっと、影響が大きいのです。

 

その影響の大きさは、相手方の経営を見ればわかります。

差止になると、まず、それまでに行った設備投資が無駄になります。サトウ食品工業も、設備投資として側面に切込みを入れる機械を数千万から数億円かけて開発していたと思われます。差止請求が認められると、製造・販売ができないわけですから、その生産設備が使えなくなるので、設備投資費は無駄になり、経営上大きな損害になりますね。

 

また、販売した商品に固定客がついてしまっていると、その商品が売れなくなって信用を大きく失います。

 

仮に、あなたの商品を、どこかの大手企業に大量に買ってもらっている場合に、あなたが、他社から差止請求を受けて認められてしまっら、どんな影響があるでしょうか。

 

差止となったあなたの製品は製造販売できません。

差止請求が認められたサトウ食品工業は越後製菓の該当特許(特許第4111382号)を今後実施することはできません。

ですのでその製品の取引はストップします。取引先は、特許を持っている他社から類似品を買うでしょう。さらに、その製品の取引ストップだけにとどまらず、その他の製品までも取引量の低下や取引中止の余波があるという話を耳にしますu。

 

特許侵害で差止を受けるような企業と取引するのはリスクと考えるのが普通ですよね。

 

①損害賠償で多額のお金を支払い

②製品の販売はできなくなり

③取引先との信用も失う。

 

トリプルパンチです。特許について知らないというのは、とても怖いことだと思います。

 

信用不安となり、売上が激減?

さらに、切り餅事件では、越後製菓は業界第1位のサトウ食品工業に勝訴した後、業界第3位のきむら食品を同じ特許で2013年に45億円の損害賠償請求と差止請求で訴えました。

 

そして、その裁判の提起から1年後に、きむら食品は、民事再生法の適用を受け、事実上の倒産となっています。不正会計などもあったようですが、特許訴訟で45億円の請求をされたことも経営上のネガティブ要因になったことは間違いないと考えられます。

 

特許による裁判でできる請求は、主に、差止請求と損害賠償請求の2つだけです。

しかし、この2つは、会社経営の状況を変えてしまうほど強力なものです。切り餅事件のきむら食品のことを対岸の火事だと、割り切ってしまっていいでしょうか?

切り餅だけに「切り離す」ことができない大問題となってしまった・・・

 

「特許なんて関係ない」と考えられている企業経営者の方には、特許の重要性について、いや、特許を持っていないというのは怖いことなんだ、ということを知って欲しい、それが教訓かと思います。

 

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