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「 餅に切り込みを入れるだけで特許」のわけ ~切り餅事件~

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「 餅に切り込みを入れるだけで特許」のわけ ~切り餅事件~

2020.03.07

餅の切れ目が特許のポイント!?

 

特許と聞くと「高度な技術」や「凄いアイデア」って思ってませんか?

 

実はそんなことありません。

例えば、お餅に切れ込みを入れるというアイデアだけででも特許になるんです。

しかも、その特許でライバル企業に15億円の損害賠償が認められるなんて。

 

そんな事例が2009年に勃発した、通称、切り餅事件です。

10年以上前の事件を、今更と思った方、大丈夫です。

特許の取得や、損害賠償の判断に関する基本部分は、

少なくとも70年前から大きくは変わってません。

したがって、もちろん、現在でも、切り餅事件と同じ考え方で特許の世界は動いてます。

 

さて、そんな切り餅事件を簡単に説明すると、当時業界売上2位の越後製菓株式会社が、

業界1位のサトウ食品工業株式会社を、餅の切り込みを特許で訴えて、

サトウ食品工業に総額で15億円余りの損害賠償が命じられたという事件です。

 

この切り餅事件を特許取得の視点からお話していきます。

(わかりやすく説明するために、100%正確な説明ではないかもしれませんがご容赦を。)

 

発明の名称は、ずばり「餅」

切り餅事件の元になった特許は、事件の名称通り、餅に切れ込みを入れるだけの特許なんです。

そして、発明の名称も、ずばり、「餅」。

 

「餅」の特許です(特許第4111382号)。

 

IPS細胞の特許、青色LEDの特許、酸化ガリウム半導体技術の特許などは

耳にされたことがあるかもしれません。

それに並んで「餅」の特許。しかし、特許にはレベル分けはありませんので、全て同じ特許です。

 

特許は特許庁の審査官が厳格な審査を行い、審査にパスすると特許として登録されます。

越後製菓の「餅」の特許も審査にパスして特許になったわけです。

 

審査にパスするポイント

では、その審査にパスするポイントとは、なんでしょうか?

 

それは、「新しくて、優れている事」です。

ここでいう「新しさ」というのは、これまでに同じものがないこと。

そして、「優れていること」というのは、

「簡単に思いつかなかった」ということと考えてもらえればよいと思います。

したがって、「これまでに同じものがなくて、簡単に思いつかない」

工夫やアイデアは特許になるといえます。

 

ただし、「簡単に思いつかない」の程度は、少し曖昧で、

特許庁が「簡単に思いつかない」と判断すると、

審査をパスできます。「いいね」くらいでは難しくて、

「超いいね」だと「簡単に思いつかない」と認められる感覚でしょうか。

 

越後製菓の「餅の特許」の場合は、

四角い直方体の切り餅の側辺に切れ込みが入っているという特許だったのですが、

従来、上面や底面に切れ込みがある切り餅はあったのですが、

側辺に切り込みが入っている餅はなかったようです。

すなわち、「側辺に切り込みが入っている餅」と同じものがなかったというわけです。

 

また、側辺に切り込みをいれることで、

「お持ちの膨れ具合を制御でき、お持ちを焼いても美観を損なわない」

というところが「簡単に思いつかない」と認められたようです。

 

「側辺に切り込みが入っている餅」が、それまでになかったのは、きっと本当なのでしょうが、

「お持ちの膨れ具合を制御して、美観を損なわない」というのが、

「簡単に思いつかない」ことなのかは、個人的には疑問が残りますが、

間違いなく特許になっているのです。特許庁としては、

「お持ちの膨れ具合を制御して、美観を損なわない」に「超いいね」をしたということです。

 

ちなみに、「同じものがない」とか「簡単に思いつかない」という言葉を使ってきましたが、

特許法的には「同じものがない」ことを「新規性」、「凄い」ことを「進歩性」といいます。

もう少し詳しくいうと、特許を登録する要件として「新規性」と「進歩性」を満たす必要がある、

ということになります。

 

特許を経営に活かすことが重要

ところで、特許は取ることより、使う方が大事です。

切り餅事件を特許経営という視点からお話しているこちらの記事もご参照ください。

特許取得で別れた会社の命運 ~切り餅事件~

実は、この「餅」の特許で会社が倒産したかもといった、驚きの事実が含まれていたりしますので、

是非、読んでいただきたいです。

 

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